本日の記事は、私の大好きな作家さん
坂木司さんの「シンデレラ・ティース」のご紹介です。
この本は
- 怖くない(殺人事件が起きない)ミステリー小説が読んでみたい
- ミステリーと恋愛要素どっちも楽しみたい
- 心が疲れている
みたいな人にお勧めです。
この作家さんのお話は、読み終わると温かい気持ちになれるので本当にお勧めです。
大学二年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって……。サキの忘れられない夏が始まった!
出典:シンデレラ・ティース 坂木司 | 光文社文庫 | 光文社 (kobunsha.com)
叶 咲子(かのう さきこ)
19歳の大学2年生。小学校低学年の頃に初めて行った歯医者での体験が原因で、歯医者が大嫌いになる。性格はおっとりしたお嬢さんタイプ。
四谷 謙吾(よつや けんご)
サキがバイトする、品川デンタルクリニックの歯科技工士(入れ歯とか差し歯を作る人)顔は整っているが無愛想。いついかなる時も、石膏の粉があちこちに付着している。
この本に出てくる品川デンタルクリニックは、患者さんの歯の問題を通してその先にある悩みまで解決してくれます。
しかも、その方法が患者さんに寄り添った解決方法なので、読んでいるとじんわりと心が温かくなります。
この本を読んだ人は絶対に「こんな歯医者さんだったら絶対に通いたい!」ってなると思います。
主人公のサキはおっとりしていますが、品川デンタルクリニックで働くうちにどんどん成長していきます。
その理由は、四谷の存在はもちろんですが、セクシーすぎる歯科衛生士の歌子さんをはじめ、品川デンタルクリニックで働く面々の影響があると思います。
皆さん優しいけれど、本当にプロフェッショナルな方々ばかりです。
「遊園地のお姫様」のサキの叔父である叶唯史先生と、医院長の孫の知花のエピソードは読んでいて胸が熱くなりました。
この小説は5つのお話が入っていますが、その中でも私が一番好きなのは「オランダ人のお買い物」です。
理由は下記の通りです。
- サキと四谷の関係が進展するきっかけになる話だから
- スカッとした気持ちになれるから
このお話で、サキが泣いている時に四谷が取る行動が私はとても好きです。ほっこりした気分になれます。
そしてセクシーすぎる歯科衛生士の歌子さんも最高の対応をしてくれます。私は本当にこのお話が大好きです。
この本には、サキの親友で大学の同級生の柿生浩美(カキオヒロミ・通称ヒロちゃん)という女の子が登場するのですが、実はヒロちゃんが主人公の「ホテルジューシー」という小説があります。
ヒロちゃんはサキが歯医者の受付バイトをしている間、沖縄のホテルでアルバイトをしています。
シンデレラティースの中で2人が電話をしているシーンが何回か出てくるのですが、その時のヒロちゃんの心境などがホテルジューシーを読むと分かるので、こちらも併せて読むと更に楽しめると思います。
「シンデレラ・ティース」は10年以上前の作品ですが、今でも大好きな小説です。
坂木司さんの小説は、どれも読み終わると心がじんわりと温かくなります。
この記事をきっかけに、坂木司さんの小説が多くの人に読まれたら嬉しいです。
ではでは今日はこの辺で😊